ポーラ美術館は、 12月15日(日)に開幕する「シュルレアリスムと絵画 ―ダリ、 エルンストと日本のシュール」展の関連企画を開催。
「モードとアートの香水瓶―ポワレ、 スキャパレッリ、 ディオール」。
香水瓶約80点に絵画、 広告等の資料を加え、 シュルレアリスムが世界で展開した1920年代から1940年代にかけて制作された香水瓶にスコープ!!
20世紀から現代までの香水瓶の軌跡を辿る。
展覧会概要
フランスでは、 ファッションデザイナーのポール・ポワレが1908年に創設した香水ブランド「ロジーヌ香水」が端緒となった。
オートクチュールメゾンが香水を販売しはじめ、 1920年代には各メゾンの世界観を演出するために香りが重要な役割を担った。
多くのメゾンが香りはもちろん、 ボトルの形にも工夫を凝らし、 時にはルネ・ラリックやシュルレアリストなど同時代の芸術家たちもその造形に携った。
本展では、 メゾンの世界観を表現した香水瓶を、 芸術家たちが手がけた作品を中心にご紹介。
ラウル・デュフィとテキスタイルのデザインなどでコラボレーションしたポワレを起点とし、 ダリをはじめとするシュルレアリスムのメンバーと親交を持ち、 彼らの前衛的な表現をとり入れたエルザ・スキャッパレッリ、 そしてボトルデザインが定番として発表当時から現代まで続いているクリスチャン・ディオール等の香水瓶を展示。
ファッションの新たな表現媒体として発展した香水瓶とアートの出会いを紐解く。
展覧会構成
第1章「オートクチュールメゾンによる香水のはじまりと発展」
19世紀後半まで香水は、 専門の香水メゾンによって販売されるものであった。
しかし20世紀に入ると、 オートクチュールメゾンがその世界観を表現する方法として香水を発表するようになった。
本章では、 現代でも人々を魅了しているオートクチュールメゾンによる香水の歴史のはじまりと発展を紐解く。
また、 ポワレを通してファッションとも関わりの深かったデュフィの作品もあわせてご紹介。
第2章「20世紀における香水メゾンの戦略」
19世紀まで上流階級の楽しみだった香水は、 19世紀末に開発された合成香料により価格が抑えられ、 香りの種類も豊富になったことで幅広く普及。
またボトルの素材も陶器からガラス製のものが一般的になり、 技法を凝らしたボトルが制作されるようになった。
本章ではゲランなどの老舗や、 20世紀に登場したコティなど新興化粧品メーカーの香水瓶を展示し、 より多くの人の手に渡ることを意図した香水メゾンの戦略をご紹介する。
第3章「モードとシュルレアリスムの出会い」
文学から始まったシュルレアリスムの表現は、 やがてモードの世界にも取り入れられる。
中でもファッションデザイナーのエルザ・スキャパレッリはサルバドール・ダリやレオノール・フィニらシュルレアリストとのファッションや香水瓶のデザインの協働で話題を集めた。
本章ではシュルレアリスムと最も接近したデザイナーであるスキャパレッリの世界観を、 香水瓶や商品カタログから見ていく。
第4章「戦後から現代へ続く香水瓶」
第二次世界大戦後、 パリのモード界に勢いと輝きをもたらしたのが、 クリスチャン・ディオールによる華やかなコレクション。
花を愛したディオールによる香水は、 発表当時から現代までほぼ同じ形の香水瓶で販売されている。
本章ではディオールに代表される戦後の香水瓶をご紹介するとともに、 20世紀に発表され現代でも変わらない形で親しまれている香水瓶の軌跡を紹介する。
開催概要
会 期:2019年12月15日(日)-2020年4月5日(日)*会期中無休
開館時間:9:00-17:00 (最終入館は16:30)
入 館 料:大人1,800円、 シニア(65歳以上)1,600円、 大学・高校生1,300円、 中学生以下は無料
T E L:0460-84-2111
主 催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
協 力:ポーラ文化研究所
同時開催の企画展:シュルレアリスムと絵画 ―ダリ、 エルンストと日本の「シュール」
2019年はシュルレアリスム誕生から100年の節目にあたります。 フランスで誕生したシュルレアリスムは、 理性を中心とした意識では捉えきれない新しい現実を表現することを目指して始まった。
この100年で変遷を遂げたシュルレアリスムの展開と、 フランスから日本、 そしてアメリカ、 アジアにいたるまでのシュルレアリスムの広がりを約100点の絵画、 版画によってたどる。
会期:2019年12月15日(日)~ 2020年4月5日(日)
ポーラ美術館について
2002 年に神奈川県箱根町に開館。
ポーラ創業家二代目の鈴木常司が40 数年間にわたり収集した、 西洋絵画、 日本の洋画、 ガラス工芸、 古今東西の化粧道具など総数約 1 万点を収蔵。
開館時間︓9︓00-17:00(入館は 16︓30 まで)
休館日︓無休(展示替えのための臨時休館あり)
所在地︓神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285
TEL︓0460-84-2111
編集・構成 MOC(モック)編集部
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