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安全神話健在か? 東京は「窃盗と強盗」の被害者数が調査対象22都市中最下位。「安全なまちづくり」の意識調査結果を発表。

国際NGOプラン・インターナショナル(以下、 プラン)は、 「思春期の女の子や若い女性たちが都市部で直面する危険性」について、 約400人の専門家を対象に、 「安全なまちづくり」に関する意識調査を、 世界22都市で実施しました。 また、 日本では、 プランの学生グループであるG-SChooLが中心となり、 東京都内在住の15~25歳の男女約700人を対象に「安心して暮らせるまちづくり」に関する意識調査を行いました。今回はその結果についてのレポートです。

 

 

 

世界初、 都市における女の子の安全に関する意識調査

現在、 世界の人口のおよそ54%が都市部に暮らしていると言われており、 2050年にはその割合は66%に増えるという推計もあります※1。 都市での生活は女の子の可能性を広げる一方で、 女の子がさまざまな危険に直面する場面もあります。
プランは、 都市部に暮らす女の子や若い女性がどのような危険に直面するのか、 まちの政策や計画づくりにおいて、 彼女たちの意見がしっかりと聞き入れられているか、 安全なまちにするためには何が必要であるかを調査しました。 これまでにも、 世界都市の安全度ランキングはありましたが、 このように女の子や女性の視点に立った意識調査は、 世界で初めての試みとなります。

※1出典:UN Habitat (2016). Urbanization and Development. Emerging Futures

 

 

東京の「窃盗と強盗」被害数は22都市中、 最下位

 

 

調査対象の22都市間で比較したところ、 東京は、 窃盗や強盗などの被害が一番少ないことがわかりました。
反対に、 南アフリカのヨハネスブルグはまだ女の子にとって安全とは言い難い都市であるという結果になりました。

 

 

 

【おもな調査結果】

世界共通で女の子が日常的に直面しているもっとも大きな危険性は、 「 セクシュアル・ハラスメント
(冷やかし、 嫌がらせ、 痴漢、 露出行為、 ストーカー行為、 凝視など)
多くが被害を通報できていないという現状も浮かび上がりました。

 

女の子が「セクシュアル・ハラスメント」の被害にあう可能性

 

実際に「セクシュアル・ハラスメント」の被害が起こった場合、 警察などの管轄機関に通報するかどうか

 

 

 

女の子や若い女性が、 安全なまちづくりへの意思決定プロセスに参加できているか否か

 

 

 

日本では、 学生グループが同世代の若者に向けた意識調査を別途実施

日本では、 国際本部の質問項目や調査結果を踏まえ、 東京都内在住、 もしくは東京まで通学・通勤をしている15~25歳の男女712人を対象に意識調査を実施しました。
セクシュアル・ハラスメントを細分化し、 「実際にどのような被害にあったことがあるか」「身の回りに潜む危険性への知識はどの程度知っているか」「女の子や若い女性にとってまちをより安全にするために必要なことは何か」などの質問を設定。 質問は学生グループのG-SChooLメンバー自身が考え、 分析をもとに東京都への提言や同世代向けのメッセージにまとめ発信する予定。

 

Q:実際に被害にあったことのあるものを教えてください。

 

 

ガールズ・リーダーシップ実施概要
日時:10月10日(水) 17:00~18:00
場所:東京都青少年・治安対策本部 会議室(東京都庁第一本庁舎北塔 34階)
内容:アンケートを作成したプラン・インターナショナル学生グループG-SChooLのメンバー6名が、 日本のユースを対象としたアンケート結果を元に作成した提言を東京都青少年・治安対策本部に提出し、 意見交換を行います。 当日ご取材いただける場合、 ユースへのインタビューが可能です。

 

【公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンとは】
子どもの権利を推進し、 貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。 創立は1937年。 長年にわたり、 子どもや若者、 地域の人々とともに地域開発を進めてきました。 すべての子どもたちの権利が守られるよう、 とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。 市民社会、 政府機関や国際機関と連携しながら、 世界を持続的に、 前向きに変えていきます。

 

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
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