第44回(2018年度)木村伊兵衛写真賞の一次選考が行われ、 岩根愛さん、 金川晋吾さん、 川崎祐さん、 露口啓二さん、 富安隼久さん、 ミヤギフトシさんの6人が最終候補者として選出された。
木村伊兵衛写真賞は、 日本の写真の発展に尽くした木村伊兵衛氏の業績を記念して、 朝日新聞社が1975年に創設。 2008年4月からは朝日新聞出版との共催となった。
選考は写真関係者の方々からアンケートにより候補者を推薦いただき、 選考委員会で決定した。
対象となったのは、 2018年1月から12月に発表された写真集、 および写真展などの写真活動全般です。 受賞者の発表は「アサヒカメラ」4月号(3月20日発売)、 朝日新聞紙上、 ニュースサイト「AERA dot.」などで行う予定だ。
なお、 選考委員は写真家の石内都、 鈴木理策、 ホンマタカシの各氏と作家の平野啓一郎氏。
【第44回木村伊兵衛写真賞ノミネート作家】
岩根 愛
写真集『KIPUKA』、 展示「FUKUSHIMA ONDO」
いわね・あい/東京都生まれ。 1991年単身渡米、 ペトロリアハイスクールに留学。 オフグリッド、 自給自足の暮らしの中で学ぶ。
帰国後、 アシスタントを経て1996年に独立。 雑誌媒体、 音楽関連等の仕事をしながら、 世界の特殊なコミュニティでの取材に取り組む。
2006年以降、 ハワイにおける日系文化に注視し、 2013年より福島県三春町にも拠点を構え、 移民を通じたハワイと福島の関連をテーマに制作を続ける。
2018年、 初の作品集『KIPUKA』(青幻舎)を上梓。
金川晋吾
展示「長い間」
かながわ・しんご/1981年、 京都府生まれ。 神戸大学発達科学部卒業。
東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。 第12回三木淳賞。
2018年さがみはら写真新人奨励賞。 2016年に青幻舎より『father』刊行。
最近の主な展覧会 2015年「STANCE or DISTANCE? わたしと世界をつなぐ『距離』」(熊本市現代美術館)、 2018年「長い間」(横浜市民ギャラリーあざみ野)。
川崎 祐
展示「Scenes」
かわさき・ゆう/1985年、 滋賀県生まれ。
早稲田大学第一文学部、 一橋大学大学院言語社会研究科卒業。
2017年に『第17回写真「1_WALL」』でグランプリを受賞。 同展では川崎の滋賀である滋賀・長浜で撮影した両親や姉、 地元周辺の過疎化する郊外の風景を捉えた作品を展示した。
露口啓二
写真集『地名』
つゆぐち・けいじ/1950年、 徳島県生まれ。
主な個展に「自然史—北海道・福島・徳島」(CAI01/札幌市、 2014)、 「アフンルパルEX1」(岩佐ビル/北海道、 2008)、 「地名」( LIGHT WORKS /横浜市、 2002)、 近年の主なグループ展に「今も揺れている展(横浜市民ギャラリーあざみ野/横浜市)」「もうひとつの眺め展」(北海道立近代美術館/北海道、 2015)、 札幌国際芸術祭(北海道、 2014)、 「アクアライン展」(札幌芸術の森美術館/北海道、 2013)など。
富安隼久
写真集『TTP』
とみやす・はやひさ/1982年、 神奈川県生まれ。 2006年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。 13年ライプツィヒ視覚芸術アカデミーにてディプロム、 16年同校にてマイスターシューラー号を取得(ペーター・ピラー教授)。
14-16年、 ライプツィヒ視覚芸術アカデミー夜間写真講座非常勤講師。 17年よりチューリッヒ芸術大学芸術・メディア学部助手。
ミヤギフトシ
展示「感光」(展示「小さいながらもたしかなこと」日本の新進作家vol.15)
981年、 沖縄県生まれ。 東京都在住。 自身の記憶や体験に向き合いながら、 国籍や人種、 アイデンティティといった主題について、 映像、 写真、 オブジェ、 テキストなど、 多様な形態で作品を発表。
近年は文藝誌上にて、 小説『アメリカの風景』『暗闇を見る』『ストレンジャー』も発表。
主な展覧会に、 「小さいながらもたしかなこと」(東京都写真美術館、 2018年)、 「How Many Nights」(ギャラリー小柳、 2017年)などがある。
編集・構成 MOC(モック)編集部
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