枡野浩一のモヤモヤすっきり短歌　【第５回】

枡野浩一

2022年4月11日

「つまらないものですが」という手紙が添えられた、本当に意図不明のプレゼント（小さなスノコ他）をもらってモヤモヤすることが多いという歌人の枡野浩一さん。

5回目を迎える当連載は、題して「モヤモヤすっきり短歌」。

忙しい日々の中で、悩みと呼ぶほどは深刻ではないモヤモヤを、あなたも抱えていませんか?

この連載「モヤモヤすっきり短歌」は、悩み相談というほど大袈裟ではないものの、なんかモヤモヤするというエピソードをみなさんから寄せていただいて、それに枡野さんが短歌を捧げる、という企画です。

「はい。今回のモヤモヤは、自分もけっこうよく感じるモヤモヤでした」

●ミカンをプレゼントされた理由にモヤモヤします

《ちょっとしたモヤモヤ話です。

先日ミカンを箱で貰いました。

出掛けてる間に玄関に置いてありました。

箱が開いていたので多分……とは思いましたが、後日くれた人に

「ミカンごちそうさまでした」

と伝えると

「あ～あのミカンね、もらったんだけど不味かったから(だからうちにくれた)」

と言われてちょっとモヤモヤしました。

おしまい。》

（捨てミカンさん）

箱があいていた、というのが、なんとも。

「箱をあけてないふりをするという心づかいが欲しかったですね。

たくさんいただいたのでおすそわけです、とか、もっといくらでも言い方があると思うのですが。

不味かったから、と伝えるのはどういうことなんでしょうね。

実際にミカンが不味かったのかどうかも、モヤモヤしました。

ペンネームが添えられてなかったので、捨てミカンさんというのは私が命名しました。

捨てネコみたいなニュアンスです」

▼歌人より一言「あげる、ください、は普通ひらがなにしたほうが自然なのですが、今回は言葉の対比を見せたくて漢字にしてみました。

美味しいミカンをいただいたけれども、自分は果物全体をあまり食べないのでおすそわけしますね、と、留守でないときに直接手渡しするのが正解であるような気が今しております。

おとなりさん、どうぞよろしくお願いします」

写真：田形千尋　　字と絵：目黒雅也

【モヤモヤ募集中!】 「みなさまのモヤモヤを募集しております。

モヤモヤ話にペンネームを添えて、枡野浩一のメールアドレス（ii@masuno@de）宛に直接メールください。

私から直接メールでご連絡します。

とくにお礼もできませんが、モヤモヤするあなたの気持ちをすっきりさせる短歌を捧げます。

短歌にすることはできなかったけれど、興味深かったモヤモヤ話の一部は、ご本人の許諾を得て、ポッドキャスト番組《本と雑談ラジオ》（https://youtu.be/IJ1GqYH3qP8）で紹介するかもしれません。

こちらも、あわせて聴いていてみてください」

編集・構成　MOC（モック）編集部
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