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江戸東京博物館にて、「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」開催 2019年4月27日(土)~6月16日(日)

 

 

東京都江戸東京博物館 1年半ぶりに特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」を開催する。

江戸時代、 幕府によって整備された街道には、 さまざまな人や行列が往来し活気にあふれていた。

なかでも将軍や姫君たちの行列は長大で、 沿道の人々を圧倒し権威を誇示しました。 現在、 全国各地で町づくりや道路整備が行われているが、 「江戸の街道」は姿を変えながら、 今なお私たちの生活を支え、 欠かせない道路となっている。

本展覧会では、 将軍の上洛と日光社参、 姫君たちの江戸下向に関わる資料を通して、 「江戸の街道」における旅路をたどる。

本展であらためて「江戸の街道」に目を向け、 今に通じる歴史の息吹を感じていただきたい。

 

 

 

 

見どころは、十二代将軍徳川家慶の御台所である楽宮(さざのみや)が、京から江戸へ下向する様子を描いた「楽宮下向絵巻」。

本展では、 全長約18mにおよぶ絵巻のすべてを鑑賞することができる。

また、十四代将軍家茂の上洛を描いた錦絵シリーズ「東海道名所風景」や、薩摩藩島津家の「黒漆丸十紋散牡丹唐草蒔絵女乗物」をはじめとする婚礼道具などを通し、華やかで荘厳な旅路をご紹介する。

 

 

 

 

【プロローグ】
慶長6年(1601年)、 関ヶ原の戦いを終えた徳川家康は、 日本橋を起点に諸街道の整備を進め、 江戸の前期には五街道(東海道、 中山道、 日光道中、 奥州道中、 甲州道中)が完成。

日本橋はいわば江戸の中心であり、 旅人は各々の思いを抱えながら、日本橋を通行した。

 

【見どころ】
江戸の中心として、 多くの人々が往来した当時の日本橋の様子を描いた「木曽街道続ノ壱 日本橋雪之曙」では、 活気溢れる当時の日本橋の様子が描かれている。

 

 

 

 

 

【第1章 武家の通行~威信をかけた旅路~】
泰平の世となった江戸時代、 将軍は上洛や日光社参といった大行列によって武威を誇示した。

日光社参では、 幕閣や大名、 旗本・御家人によって長い行列が組まれ、 「武家の棟梁」にふさわしいものだった。

 

【見どころ】
寛永19年(1642)の三代将軍徳川家光の日光社参を描いた「日光東照社参詣図屏風」からは、 宿場の様子や日光社参の荘厳さを感じることができる。

 

 

 

 

【第2章 姫君の下向~華麗なる婚礼の旅路】
徳川将軍家は、 三代将軍家光以降、 摂家と宮家から御台所を迎えることを慣例とした。

将軍家に嫁ぐため、 姫君は主に中山道を通行して江戸へ下向。

婚礼の際には、 多くの婚礼道具が制作され、 家紋や文様を施した道具類は贅を尽くし、 姫君の新たな生活を彩るものとなった。

 

【見どころ】
当館では初公開となる、 薩摩藩島津家の女乗物「黒漆丸十紋散牡丹唐草蒔絵女乗物」。
細部まで作り込まれた風貌は、 当時の絢爛豪華な下向の様子を物語っている。

 

 

 

 

【第3章 幕末の将軍上洛~描かれた徳川家茂の旅路~】
文久3年(1863)、 十四代将軍徳川家茂は幕末の難局を乗り切るために、 三代将軍家光以来229年ぶりとなる上洛を行なった。

その後も元治元年(1864)、 慶応元年(1865)と合計3回上洛した。

 

 

【見どころ】
家茂の上洛は当時の人々の間で大きな話題を呼び、 文久3年に「東海道名所風景」(御上洛東海道)と慶応元年に「末広五十三次」が刊行された。

この2つのシリーズは、 歌川広重が描いた「東海道五十三次」の伝統的景観を取り入れながらも、 幕末の世相が反映されるなど、 時代の変化を感じることができる絵画作品となっている。

 

 

 

 

【エピローグ~東京の道をゆく~
明治5年(1872)に新橋-横浜間で鉄道が開通し、 また、 各地で馬車・人力車が導入され、 交通手段や旅のあり方は大きな変化を遂げた。

江戸時代のように、 何日も街道を歩いて目的地へ向かうことは減少し、 鉄道などを利用して短時間で長距離を移動するようになった。

 

【見どころ】
「六郷蒸気車鉄道之図」では、 橋を走る汽車や洋装の人々が描かれており、 「江戸の街道」の過渡期を見ることができる。

 

 

 

 

本展で注目していただきたいのが、 朱色の爪折傘(つまおりがさ)「朱傘」。

爪折傘とは、 骨の端を丸く垂らした長柄傘(ながえがさ)のこと。 江戸時代、 徳川家に関することを絵画や文学のテーマとするのは禁止されていた。

そうした制約から逃れるため、 貴人のみが使用を許された「朱傘」を象徴的に描き、 将軍や姫君を暗示したのだ。

「朱傘」は将軍の上洛や婚礼の行列を描いた絵画作品に見ることができる。 ぜひ探しながらご覧いただきたい。

 

 

【開催概要】
■ 展覧会名 : 特別展「江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~」
■ 会期 : 2019年4月27日(土)~2019年6月16日(日)(47日間)
■ 会場 : 東京都江戸東京博物館 1階特別展示室(東京都墨田区横網一丁目4番1号)
■ 開館時間 : 午前9時30分~午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)※入館は閉館の30分前まで
■休館日 : 5月7日(火)・27日(月)、 6月3日(月)・10日(月)
■ 主催 : 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館
■ 観覧料  ※チケット販売は東京都江戸東京博物館のみ

 

■ 交通アクセス : JR総武線 両国駅西口 徒歩3分
都営地下鉄大江戸線 両国(江戸東京博物館前)駅 A4出口 徒歩1分
都バス錦27・両28・門33系統、
墨田区内循環バス「すみだ百景すみまるくん・すみりんちゃん(南部ルート)」
「都営両国駅前(江戸東京博物館前)」下車、 徒歩3分

 

 

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
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