人生100年時代を楽しむ、大人の生き方 Magazine

ビジネスマン必読のトーク術!モノが溢れる現代に「言葉の力」で需要を創る。村西とおる氏インタビュー第1回

 

Netflix「全裸監督」で話題の村西とおる 氏。

アダルトビデオ史に一時代を築いたカリスマAV監督。

英語の百科事典のセールスでトップの成績を残し、AV業界に進出すると、スカウトから撮影、男優をも自らがこなし「AVの帝王」と称されている。

波乱万丈な生涯では、会社の設立から倒産までを経験済。

50億円もの負債を抱え万事休すかと思いきや、あらゆる事業に挑戦しながら借金を完済するという、ナイスな返り咲きを果たしました。

そんな村西監督の強さの秘訣は、どうやら「言葉の力」にあるらしい。

話題の新書『禁断の説得術応酬話法』の執筆秘話について迫ります。

 

──それではインタビューを始めますので、レコーダーで録……

 

録音ですね~。

ハイ、いいですよ。

ホント、内緒で撮られちゃ困りますね。

あの記者はスクープを撮れなかったからといって、内緒で録音するだなんて許されるのでしょうか?

 

──本日、しかと録音させていただきます!

内緒でというと、財務省の福田事務次官から、テレビ朝日の記者がセクハラ被害を受けたという件ですね。

新年度の幕開けから半年、「セクハラ」が頻繁にトップニュースを飾りますね。

 

彼女は「録音をしていいですか」とも言わずに、福田事務官を相当油断させたのでしょう。

そこで得た情報を、自社ではなく週刊新潮に流すという顛末も驚きですね。

 

 

──油断は大敵ということですね。

村西監督は今春、『禁断の説得術応酬話法 「ノー」と言わせないテクニック』を書かれました。

三月に発売したばかりですが、在庫切れの書店が多く売れ行き好調です。

こんなにヒットすると予想していましたか?

 

全然そんなことはございません。

そもそも私は、この本を書きたいと思っていませんでした。

なぜならば「応酬話法」なんてテーマの本はありふれていますから。

しかし編集者が「是非とも書きましょう」と背中を押してくれたのです。

編集者は最初のうちはこう言います。

「監督の好きなように書いてください!」と。

そこで私は、練りに練って原稿を書き上げ、ご披露いたしました。

すると「監督の素晴らしい文章を拝見しました。しかし!私共が出版しようとするテーマからは外れております。若輩者が大先生にこんな生意気なことを申し上げるのは恐縮ですが、今度はこの観点からご執筆をお願いします……云云」の繰り返し。

何回も書き直しをさせられました。

『もう、自分で書けよ!』と叫びたくなりましたが、辛抱して筆を進め、やっと一冊が完成したのです。

出来上がった本を自分で読み返してみると、なかなかどうして私にはこういう振り幅のある文章が書けるのか、と感動いたしました。

編集者はやはり、著者自身が今まで知らなかった部分を引き出すことができるのでしょうね。

 

 

──応酬話法とは、人と人とのコミュニケーションにおいて「説得」が必要なときに効果的とされる話法。

本書では監督の営業マン時代のエピソードを主軸に実際の話法例を紹介しています。

ストーリー仕立てのおかげか、ドラマを見ているかのように引き込まれました。

 

褒めてくれますね~。

いいですね~!やる気出ちゃうよ。

私は70年も生きていますから、応酬話法に関するああでもないこうでもないという経験は山ほど蓄えております。

自分にしか書けない一冊を目指したら、こういう人生論のような本になったのです。

この本を書こうと決めたとき、「面白い本にしたい」と思いました。

ノウハウ本ではありますが、エンタメ本でもあると考えたのです。

どこかの本に書かれているような、なんだか聞いたことがあるような本にはしたくございません。

読んだ人が「買ってよかった」と満足し、「こんな本、今まで読んだことなかった」と感じていただけるる一冊を提供したかったのです。

こんなフレーズ、あんな視点、あの時のエピソード……という風に自らの実体験を詰め込みました。

エピソードを立てることで、応酬話法のテクニカルな側面のみならず、その意義や価値がより浮かび上がったように、手前味噌ながら思います。

 

 

──ビジネスシーンでは「コミュニケーション力」がひとつのスキルとして認識されていますが、応酬話法はまさに人と人とのやり取りを円滑にするテクニックです。

応酬話法で、どんな能力を磨くことができますか?

 

言葉というものはとても大きな力を持っているのです。

人間にとっての最大の武器と言ってよろしいでしょう。是非、皆さまには「言葉の力」を再確認していただきたい。

これからはモノを売ることが困難な時代となります。そして、モノを売る仕事は三流であると見なされてしまう。

ともすれば「モノ売りは窓際族の仕事」という風に認識され始めている。

しかし決してそんなことはございません。

モノを売る仕事は資本主義社会における肝です。

モノを売るということは、需要を創造することなのですから。

需要の創造?

それは一体何のことで、なぜ必要なのか。

人間の暮らしがもしも、水や空気、最低限の衣食住だけで足りているならば、人間の豊かさ、文明、科学技術の発達は有り得なかったでしょう。

「ないよりはあったほうがいい」「もうひとつ、欲しいな」「より豊かな人生を目指そう」という欲。

そういった欲が、私たちの豊かな人生を担保しているのです。

「この二度とない生のなかで、より豊かな人生を味わいたい、我がものにしていきたい」という欲があるからです。

それら欲望に応えるだけの商品提供があって始めて、人間は資本主義社会に豊かさをもたらします。

 

 

──欲望と商品提供との媒介をするのが、モノの売り手である営業マンであり、そこに監督は重きを置いているのでしょうか?

 

商品の需要は、コマーシャルや新聞広告だけで喚起できるものではありません。

人と人とが相対し、相手のことを考えて生まれるものです。

目の前にいる人にモノを売ろうとしたとします。売り手は何をすべきでしょうか。

その人の人間性や今の心模様、美意識、性格、バックグラウンド……そういったものをトータルに考えるのがまずひとつ。

さらに、どんな言葉で以て商品提供をするか考えます。

それは商品の見方や捉え方を提供するということであり、言葉が武器となるのです。

今まで欲しいとも思わなかったモノについて「買ってみよう」という気持ちになっていただくには、どんな言葉を以て相対するか。

これらのことを考え行動できるのは、営業マンです。

モノが溢れている時代において、営業マンは重要です。

その名誉あるポジションについてもう一度再確認していただきたい。

世の何百、何千万人の営業マンに対する私からのエールが、この『禁断の説得術応酬話法』でございます。

 

 

──人工知能(AI)技術の発達と駆使により、人間AIに取って代わられるのではと考えられるようになりました。

AIの影響についてはどのようにお考えですか?

 

私から言わせれば、AIを過大評価するのはナンセンス。

AIというのは、1950年前後に出た電子計算機で完結しています。

当時、一瞬のうちに何桁もの計算ができるコンピュータが登場しました。

そういった面では人間はとてもじゃないですがAIには敵いません。

しかしAIには、人類が相まみえなかったものは提案できないのです。

過去のデータの蓄積をもとに組み合わせ「それらしきもの」を作ることはできても、「まったく考えもしなかったもの」を提供することは、AIには不可能でしょう。

人間の体は何十兆もの細胞によって構成されています。

それら細胞がスパークし、無限に反応し合って閃きが生まれるのです。

人間は多くの能力を持っております。

スパークから生まれた閃き、数値化できない感情、積み上げてきたキャリア、今の空気を感じる力。

こういった人間の力に、AIは対抗できません。

ですから私にとってAIは恐るるに足らないものなのです。皆さま。

 

 

──AIは大きな変革をもたらしたがしかし、限界は確実にあるということですね。

 

ええ、AIにはできないことがあります。それは、モノを作りあげる感動を与えること、人を喜ばせることです。

たとえば小説。AIには人を感動させる小説は書けないでしょう。音楽もそうです。

もしそんなにAIが素晴らしいというならば、その能力が無限だというならば、浜崎あゆみさまに曲を作ってみるといい。

今の彼女が再起できるような素晴らしい曲を作って御覧なさい。

AIには、人を感動させたり喜ばせたりすることができません。

なぜならAIは死を知らない、もっと言えばエロティシズムを持っていないからです。

エロティシズムを持っていなければ、人の心を揺さぶることができないのす。

皆さま、「エロ」って何だとお思いですか?

 

 

──う~ん。改めて考えてみるとエロって何なんだろう。

 

皆さま、△◆〇★や◎☆□を思い浮かべたのでしょう

エロティシズムというのは、何も性器そのもののことやセックスのことじゃございません。

生と死、絶望と希望、そういった人間の持つ落差、陰と陽、感動の振り幅なのです。

エロスとは、スケベとは、人間の生きる源泉であり行動の原理であります。

もしあなたさまが「100万年ずっと生き続けられます」と言われたらどうですか?

悲しみも喜びも芸術も、何も感じなくなるのではないでしょうか。

死がなければ喜怒哀楽もないのです。ものを考えることさえしなくなるでしょう。

私たちが100万年もの時を生きることは叶いません。

たった70年、80年の人生だからこそドキドキハラハラする。

このドキドキハラハラ、心の揺らぎやコントラストこそがエロスでございます。

 

 

──AIの話からエロスに繋がるとは!

エロティシズムの世界で生きてきた監督ならではの見解ですね。

AVの帝王と称され村西監督は、独特の「村西トーク」による撮影スタイルを築きました。

 

私は被写体が持つ真実との落差を撮りたい。それを言葉で紡ぎあげたのでございます。

AV界で唯一、言葉を武器にした人間が私だったのではないでしょうか。

言葉って、とても自由でしょう。

ある言葉を聞いただけで、100mを走ったわけじゃないのに胸がドキドキする。

またある言葉を投げつけられた途端、殴られたわけじゃないのにすごく痛い。そのくらい言葉は大変な影響力を持っています。

言葉で映像の世界を紡いでいくのが、私の仕事です。被写体が持つコントラスト、陰と陽、感動の幅を引き出すために、どんな言葉をどれくらい持っているか。

いいですね、スゴイですね、パワフルですね、痺れちゃうね。ナイスですね……。

いくつもの言葉をストックし、使っております。

被写体の性格やバックグラウンドなどをトータルに考慮して、需要を創造する。

これは営業マンの極意と通じますね。

感動をスパークさせると、それがまた社会の需要となるのです。

 

 

──言葉が需要を創造する。新たに生み出すことがポイントなのでしょうか。

 

真実は偽物でしか描けないのです。

たとえば近親相姦。AVでも人気のあるジャンルですし、実際に近親相姦の親子が「私たちを撮ってください」と私のところに来ることがよくありました。

「じゃ、やってみてよ」と、イタしているところを見せてもらうのですが、これがつまらないセックスなのです。

もう、あくびが出そうなくらい。

なぜなら、そんなセックスは本人達にとっては日常でしかありません。

背徳感が無いがためにつまらないのです。

人間が興奮するのは、地獄や禁断の世界に足を踏み入れていたり、おかしてはいけない倫理や道徳に反しているからです。

そういうものを撮りたいなら役者を連れてきて演じさせるのが一番。父親役と娘役を準備して、「中で出すよ」「イヤよ、中では出さないで」「お前の子どもを見て見たいんだ」「それはダメ……」お互いの言葉のせめぎ合いがあることによって、見ている人は「コイツらスゴイことをやってるな~!!」と惹きつけられるのです。

存外、ホンモノの被写体を撮ったのでは、真実は描けません。

役者が演じて「皆さま、こういうものなんですよ」と思わせるのがよろしい。

 

 

──AV監督としてアグレッシブに業界を牽引してきた印象が強いですし、自身が映像に出演されることも多いですが、客観的な分析の感覚をお持ちですね。

 

私がいなかったら、今日のアダルト業界は違うものになっていたのかもしれませんね~。

前科上等、懲役上等で本番撮影をやってきましたから。

本番がなければ、日活ロマンポルノからず~っと同じことをやっていたでしょう。

あのままの流れが続いていたら、私は食っていけなかった。

私がなぜ世間にご評価いただいたかというと、理由はふたつ。

偽物でしか真実を描けない、という意識をもって作品を撮ったから。

これは先ほど申し上げた通りでございます。

しかしながら一方で、ホンモノにしかホンモノは(存在し)ないのです。

セックスをして、感じる、燃える、悶える、絶頂に至る。これらはホンモノでなければ描けません。

偽物とホンモノの両方をうまい具合に組み合わせ、言葉で紡ぎ合わせながら映像を作ると、他を圧倒する作品が出来上がるのです。

演じている部分と本当の部分の落差を意識的に描いていこうとしたのが私でした。

この人じゃなければできなかっただろうという仕事をする。人間から逃げずに仕事に臨むこと。

そのために言葉を磨き、人間を勉強する。これは昔から変わらず続けていることですね。

私は予定調和から外れたリズムで性の世界を撮ってきました。

自分の言葉を武器にして切り込んでいったから、私なりの映像が出来たのではないでしょうか。

 

──最近のAV作品と比較すると、監督の映像は生々しい印象がありますが、偽物とホンモノの組み合わせによるものだったんですね。

視聴者から、あの頃の映像が好きだという感想が耳に届くことは?

 

すごくあります。有難いことです。

私はね、女優の面接はほとんどしません。

「お名前は?お年は?はい、わかった!じゃ、〇日に撮影しようね」面接なんてこのぐらいで終わり。

これ以上は知りたくないからです。あとのコミュニケーションはカメラの前で十分。

昔、一年半の間に三回も未成年を撮るハメにあいました。

年齢を偽るためにお姉さんの身分証を持ってくる女の子もいました。

まさか私を騙すなんてことはないだろうとタカを括っていました。自惚れていたのでしょうね。

性犯罪史上、立て続けに三度も捕まったなんて前代未聞でしたけれど、それでも刑務所には入らなかったのです。

なぜならば裁判で「騙されたのは私だ」ということを証明できたからです。

騙されずに済む方法がないものかと、刑事さんに相談したことがあります。

すると刑事さんは「出演したいという女性が来たら、その女性の家にいってお父さんとお母さんに会って、『これからあなたの娘さんのAVを撮影するんですが、本当に、本っ当に未成年じゃないですか?間違いありませんか?間違いないですね!ハイ、ではよろしくお願いします』とするしかない。

そこまでして騙されたならお上の慈悲もあるかもね」と。

 

 

──逮捕や倒産を経験し、順風満帆ばかりの人生ではなかったよう。

しかしどんな時も、おきあがりこぼしの如く立ち上がってきたのが村西監督です。

応酬話法のようなテクニックのほか、働き方や生き方のポリシーはお持ちですか?

 

孔子の言葉をご存知でしょうか。「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」。

ある時に弟子たちは孔子尋ねました。「山ほどの教えの中でも一番重要なことは何でしょう?」孔子は答えます。

「自分がされて嫌なことは人にはせず、してほしいことをする」これは人間関係のみならず、商売においても通ずる原則でしょうね。

もうひとつ印象に残っているのが私の親父の言葉。国鉄の職員だった親父は、戦争に負けてから、どういうわけか傘の行商人になりました。

その親父がふと「人生は喜ばせごっこだ」と、口にしたのです。

昔の人なら誰しもが抱いていた感覚でしょうが、私の頭から消えません。

営業だって同じですし、AVの撮影なんかまさしく喜ばせごっこです。

セックスそれ自体もそうなのです。

人を喜ばせる、これが何事においても基本なのでしょうね。

 

 

──人を喜ばせるということは、人のために力を尽くすことに繋がります。

応酬話法も相手の需要を創造するという理念が根底にありますね。

しかし時には「NO」と言いたいこともあります。

応酬話法を知り尽くした監督が思う「断るテクニック」を教えていただけますか。

 

漫画『ベルサイユのばら』で一世を風靡された池田理代子さまとのひと時を思い出します。

まだ私が「村西とおる」を名乗るより前のこと。

なんとしても美しい理代子さまの全てを私は撮りたかった、けれど彼女は撮らせたくなかった。

どうにか口説いてプロモーションビデオの撮影を敢行できる次第となりました。

撮影地はハワイ。

この木なんの木気になる木♪のような木が生い茂る開放的な風景、白いグランドピアノが置かれた高級ホテルの一室、そういったファンタジーの世界で撮影は始まったのでございます。

池田理代子さまはそういったシチュエーションを気に入ってくれていたようで、順調に一日経ち、三日経ち……。

私は彼女の美しいふとももなど、脚ばかりを重点的に撮っていました。

ところがある日の深夜、私の部屋に電話がかかってきました。

受話器からは甘い声。「監督さん、よろしければお時間をご都合していただけないでしょうか」

『監督になって良かった!!』と私は一気に興奮しました。彼女は大人の女、遅れをとってはいけません。

私はシャワーを浴び、一度体を落ち着かせました。水飛沫に打たれながら、『どういう手順で……』などを考えを巡らせつつ、待ち合わせ場所のラウンジへと向かったのです。

そこはハワイでナンバーワングレードのホテル。

照明に照らされたラウンでジ、トロピカルドリンクを手に遊ばせ、理代子さまは坐っていらっしゃいました。

 

 

──・・・・まさか、あの池田理代子さんと?

 

〜〜ここからは村西監督のめくるめく回想をお届けします〜〜

池田「監督さん、いつもありがとうございます。……私のどんなところがお好きですの?」

村西「全部、大好きです」

池田「私のふともも、どうかしら?」

村西「大好きなんです」

池田「そう、大好きだからいつも私の足からふともものライン、撮っていらっしゃったのね」

ものすごくいい雰囲気で、私の心は踊っていました。ところが一転。

池田「私、大嫌いなんです」

彼女の声のトーンがスっと低くなり、顔の血相まで変わっている。

池田「私の足からふともものライン、ホロコーストみたいでしょう。私、自分の足が大嫌いなんです!」

村西「いや~!そんなことないですよ!」

池田「監督さん、お願いです。明日から足からふともものラインは絶対に撮らないでください」

それまで燃え上がっていた私の気持ちは冷水を浴びせられたかのよう。反論もできずたじろいでいると。

池田「……でもね監督さん、私の足からふともものライン、そんなにお好きでしたら、今からお部屋でご一緒なさいます?いくらでもご覧いただいて結構ですのよ」

今の私なら「お願いします!」と即答いたします。

しかし当時、彼女の突然の言葉に私は唖然とするばかり。

明日から撮影しなければならない責任感と、大人の女性からの謎かけにどう答えればいいかわからない混乱とで、頭がパニックになってしまいました。

すると彼女はパッと立ち上がり、ロングドレスの裾を美しく翻すと、「オホホホホホ~」だなんて笑いながらエレベーターホールへと消えていかれました……。

 

──きわどいやり取りですね~!

断り方が拙いと話をこじらせたりしがちですし、論破をしようとしては関係性が壊れてしまう。

 

本当にお上手な断り文句でした。

相手を怒らせずあやすようにし、しかし自分の意思はきちんと伝える。

しかも筋を通しながらです。なおかつ相手のポジションは必ず守る。

そういった巧みな言葉の魔術に、私は酔いしれました。流石、美しく選りすぐった言葉を散りばめた名作『ベルサイユのばら』を作りあげた、日本を代表する漫画家です。

「断る」ということの素晴らしさはここにあります。

自分の意見を通すことばかりが目的ではないのです。

相手との人間関係を維持しながら、どんなコミュニケーションをもってゴールを目指すか。

そんな断り方を池田理代子さまから学びました。

 

若かりし頃の貴重なエピソードも教えていただき、面白いような怖いような……

耳を塞ぎたいのについ聞き届けてしまうのは、人間同士のギリギリのやり取りを交わしてきた監督ならでは。

しかし、テクニックは誰でも磨き上げることができるはずですのです。

全国の営業マンの皆さま、価値ある需要を創造するため、胸を張って仕事をするため、言葉の力をブラッシュアップしていきませんか?

次回のインタビューでは、ビジネスにおける原動力とは何か、天職には巡り合えるのか、についてお話を伺います。

 

写真:田形千紘     文:鈴木舞

 

 

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絶賛発売中!村西とおるドキュメンタリー映画「”M”村西とおる狂熱の日々」東京プレミア!

 

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編集・構成 MOC(モック)編集部
人生100年時代を生きる、
大人のためのマガジンMOC(モック)
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PROFILE

村西 とおる

1948 年9 月9 日生まれ。福島県出身、上京後、バーテン、英会話教材のセールスマン、テレビゲームリース業を経て「裏本の帝王」となるが全国指名手配となり逮捕される。その後AV 監督となって今日に至る。 前科7犯(うち米国で一犯)。 これまで3000本のAVを制作し、7000 人の女性の ヒザとヒザの間の奥を視姦してきた。
”顔面シャワー”” 駅弁”の産みの親。 「昭和最後のエロ事師」を自任し、「AVの帝王」と 呼ばれている。
2016年10月、波乱の半生を綴った「全裸監督 村西とおる伝」(本橋信宏著/太田出版)が刊行され、再び注目を集めている。

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