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伊庭靖子 展 「まなざしのあわい」東京都美術館にて7月20日より。

 

 

東京都美術館で撮影した写真をもとにした絵画をはじめ、 版画、 さらに新たな試みとして映像作品を発表する予定だ。

伊庭の個展は、 2009年の「伊庭靖子――まばゆさの在処――」(神奈川県立近代美術館)以来、 美術館では10年ぶりの開催となる。

近作・新作を中心に紹介しながら、 そこに至る以前の作品も併せて展示することで、 この10年の変化とともに伊庭靖子の変わらない関心の核に迫る企画展になる予定だ。

※会場となるギャラリーは、 吹き抜けの大きな空間で、 独特な質感をもつ空間。 鑑賞者が作品1点1点との対話を静かに楽しむことのできる展覧会を目指している。

 

 

 

 

画家の眼とモティーフのあわいにある世界に魅せられた伊庭靖子(1967-)は、 触れたくなるようなモティーフの質感やそれがまとう光を描くことで、 その景色を表現し続けてきた。

自ら撮影した写真をもとに制作するスタイルは変わらないが、 近年、 それまで接近していたモティーフとの距離が少しずつ広がってきた。

空間や風景といったものへの関心が高まり、 まわりの風景が広がることで、 伊庭の絵画は新たな展開を見せている。

 

 

 

 

 

新作を中心とした個展

本展の開催が決まった2016年春から、 伊庭は3年余の時間をかけて準備を行い、 本展では、 絵画、 版画、 映像の新作を中心に展示します。 伊庭の絵画は、 一貫して自ら撮影した写真をもとに制作されます。 本展には東京都美術館で撮影した写真から描いた絵画も出品します。 前川國男が設計した建築に漂う光が、 伊庭のレンズと手を通して生まれ変わります。

 

映像作品に初挑戦!
大学で版画を専攻した後、 しだいに絵画に軸足を移し、 制作活動を続けてきた伊庭ですが、 今回初めて映像作品を発表します。 立体視を用いた作品となる予定で、 光に満ちた静謐な空間を描く絵画とはかけ離れたように見えるかもしれません。 ただ、 人の眼と見る対象との間にあるさまざまなもの――光、 大気、 雰囲気など――への関心は通底します。 伊庭の芸術観を垣間見せる作品になることでしょう。

 

10年ぶりとなる美術館での個展(東京の美術館では初めての個展!)
国内外の主要美術館に収蔵されている伊庭の作品ですが、 多くのコレクターにも愛され個人の邸宅で大切にされてきた作品も少なくありません。 今回は、 多くの所蔵者にご協力いただき、 新作・近作につながる2004年からの作品を展示します。 なかなか見ることができないコレクターのお気に入りの作品群をぜひ美術館でご鑑賞ください。

 

 

 

【プロフィール】

1967年 京都市生まれ
1990年 嵯峨美術短期大学版画科専攻科修了
1999年 フランス・モンフランカンにて滞在制作
(ダイムラー・クライスラーグループ「ガスコーニュ・ジャパニーズ・アート・スカラシップ」(アート・スコープ’99))
2001-02年 文化庁芸術家在外研修員としてアメリカ・ニューヨークに滞在
現在、 京都を拠点に活動

 

 

◆近年の主な個展
2009年 「伊庭靖子展――まばゆさの在処――」神奈川県立近代美術館
2012年 「paintings」MISA SHIN GALLERY、 東京 (’17)
2014年 「まばゆさ/けしき」高島屋美術画廊、 日本橋・新宿・大阪
2016年 「伊庭靖子展 光の感触」ギャラリー柏、 北海道
2018年 「伊庭靖子展」MA2 Gallery、 東京

 

【主な受賞歴】

1998年 VOCA展’98奨励賞受賞
2003年 京都府文化芸術賞 奨励賞受賞
2010年 第20回タカシマヤ美術賞受賞
2011年 滋賀県文化賞 奨励賞受賞

 

 

 

伊庭靖子展 まなざしのあわい

主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
会期:2019年7月20日(土)~10月9日(水)(計70日間)
休日:月曜日、 8月13日(火)、 9月17日(火)、 9月24日(火)
開室:9:30~17:30 *入室は閉室の30分前まで
夜間:金曜日 9:30~20:00 *入室は閉室の30分前まで
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C(計1,185平方メートル )
観覧料:一般 800円/団体(20名以上) 600円/65歳以上 500円/大学生・専門学校生 400円
※高校生以下無料

 

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
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