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藤田嗣治の描くヌードの本質に迫る展覧会。 東京、大阪2会場で巡回開催!!

 

 

NUKAGA GALLERYでは、「藤田嗣治 –   -」を、2019年9月26日(木)から東京、2019年12月12日(木)から大阪の、2会場で開催。

 

 

展覧会概要

本展では、藤田嗣治が1920年代から1930年代前半に描いた裸婦像を中心に、同時代に描かれた静物画やデッサンを展示。

親友であったモディリアーニの死以降、その遺志を継ぐように裸婦を描き始めた藤田は、1921年開催の第14回サロン・ドートンヌへ大型の横たわる裸婦像を出品。

後に「素晴らしき乳白色」と称えられる独特の白色下地に、鈴木春信や喜多川歌麿らの浮世絵から発想を得た黒く繊細な輪郭線で描かれた藤田の裸婦像はパリの観衆から絶賛され、以降種々のサロンへの出品、画廊での展覧会を通してその名声を確立した。

 

 

 

 

出品作品

『長い髪のユキ』(1923年)、『横たわる裸婦(ユキ)』(1924年)は、まさに藤田がこの真新しい技法でパリ画壇の寵児に上り詰める絶頂期の作品。

モデルは藤田がその美しく雪のように白い肌から「ユキ」と呼んだ、3番目の妻リュシー・バドゥ。

 

『横たわる裸婦(マドレーヌ)』(1932年)では、30年代を通して藤田のミューズであったマドレーヌ・ルクーのしなやかな肢体が、伝統的な横たわる裸婦の構図で描かれている。

これらの裸婦像と同時に、本展では藤田の静物画の代表作である『バラ』(1922年)、そして『マッチ箱のある静物』(1923年)を展示する。

花瓶やその下に敷かれた「ジュイ布」、そしてマッチ箱といったパリ市民の身近な日常生活にあるものを、あるいはヨーロッパ絵画の伝統的主題である裸婦像を、乳白色の下地と墨を用いた細い輪郭線という西洋美術の文脈にない独自の様式で描き、新奇な質感とモノの見え方を藤田は提示した。

「やわらかい、押せばへこむやうな皮膚を通して画のもつとも重大な条件である「質」をかく事にした。」と自身が述べるように、藤田が絵画に求めたものは、色彩でもモノの形態でもない、「質」であった。

本展では1920年代から1930年代前半にかけて、藤田が芸術の都パリで独自の技法と表現を確立し、新たな絵画言語を構築した時代の作品に集中して展示することにより、藤田が追求した「質」を見つめ直す。

 

 

 

 

開催概要

展覧会名:藤田嗣治 – Nude –

会期  :2019年9月26日(木)~10月11日(金)/NUKAGA GALLERY(東京)

2019年12月12日(木)~12月25日(水)/NUKAGA GALLERY OSAKA(大阪)

開廊時間:10:00~18:00 ※日曜・祝日は休廊

入場料 :無料

 

会場概要

<東京展> NUKAGA GALLERY

会場  :東京都中央区銀座2-3-2 3F/TEL 03-5524-5544

アクセス:JR有楽町駅(中央口)徒歩5分

東京駅(八重洲南口)徒歩10分

東京メトロ 有楽町線 銀座1丁目駅(3番出口)徒歩1分

丸の内線・銀座線・日比谷線 銀座駅(C6・C8・C9出口)徒歩4分

銀座線 京橋駅(2・3番出口)徒歩5分

 

<大阪展> NUKAGA GALLERY OSAKA

会場  :大阪市北区西天満5-8-8 2F/TEL 06-6362-1038

アクセス:JR大阪天満宮駅 徒歩5分

地下鉄谷町線 南森町駅(1番出口)徒歩3分

 

 

 

 

作家略歴

藤田嗣治(1886-1968)東京の名門の家柄に四人兄弟の末子として生まれる。

陸軍医の父親は、芸術への理解も深かった。

自立心が強かった少年期に画家の夢を抱き、中学から夜学でフランス語を学ぶ。

1905年東京美術学校(現・東京藝術大学)西洋画科に入学、1913年26歳でパリに渡る。

まもなくピカソのアトリエに招かれキュビズムやルソーの絵を目にした。

パリの絵画の自由さ、新しい芸術の時代を直感。

他人の真似ではない絵を描くことを、早い段階で強く意識する。

モンパルナスで研鑽を積み、1917年に初個展を開いた。

1921年35歳で3作品をサロン・ドートンヌ展に出品。

「素晴らしき乳白色」と絶賛された半光沢の滑らかな絵肌の上に描かれた高貴な裸婦像は、それまでのパリ画壇にない独創的な美をたたえていた。

日本画の面相筆と墨を使って生み出された、流れるように伸びやかな細い黒の輪郭線は、白い肢体の艶やかさを引き立てていた。

東洋を感じさせながら西洋美術の精神にも適う新鮮な絵画は大好評を博す。

オカッパ頭にロイド眼鏡の装い、5度の結婚を経験する女性遍歴、奔放な私生活ぶり。

“フーフー(お調子者)”と呼ばれた突き抜けた個性でも、メディアや社交界の注目の的となった。

1929年世界恐慌が始まり、エコール・ド・パリの華やぎは終焉。

42歳で17年ぶりに日本に帰国。1931年から中南米を旅し、黒と白が主調だった画面に色彩があふれ出した。

2年後再び日本で活動し、二科展等に出展。

1939年の日中戦争以降に戦争記録画を制作、戦後の1949年、美術界の責任を負う形で日本を去る。

以来、一度も日本に戻っていない。ニューヨークを経由して1950年フランスへ渡る。乳白色の地に日本の筆と墨を使った女性像や猫の絵が復活。

最も多く描かれたのは、空想の世界の子どもたちであった。

1955年68歳でフランスに帰化、1959年カトリックに改宗。晩年は宗教的主題を多く制作している。

 

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
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