個人コレクター上原昭二のまなざしによって集められた上原コレクション。
そこには、当館コレクション特有の優しく穏やかな気配が満ちています。
上原コレクション名品選では、収蔵品を掘り下げながらご紹介し、その魅力に迫る。
名品選の第2弾として、近代館では、2019年度に新収蔵となったアルベール・マルケ《ルーアンのセーヌ川》を初公開。
曇りの日に鈍く輝くセーヌ川の流れが、詩情豊かに捉えられており、人々が行き交う橋や停泊する船、河岸の賑わいがマルケの「灰色」と呼ばれる落ち着いた色彩で描かれている。
その画面の色彩は、ほとんどモノトーンのようでありながらも、多彩なニュアンスを感じさせる。
近代館ではマルケのほか、印象派や、ボナール、ドランが描いたセーヌ川と、画家たちが暮らしたパリ市街の風景を中心に、上原コレクションの数々を紹介する企画展。
仏教館では、所蔵する写経のコレクションを一堂に展示。
千年以上経てもなお輝きを失わない《紫紙金字華厳経断簡》や、巻頭に描かれた仏画も見どころの《紺紙金字金剛三昧経巻上(神護寺経)》などとあわせて、静岡県ゆかりの写経《遺教経》を初公開。
写経を通して、仏教美術の世界観を体験できる。
関連イベント
学芸員によるギャラリートーク(作品解説)
両館の展覧会をそれぞれ学芸員がご案内します。
日時:毎月第3土曜日11:00~/14:00~(仏教館・近代館約30分ずつ)
会場:上原美術館展示室 ※要入館券 当日、仏教館にお集まりください。
学芸員によるミニ講座
開催中の展覧会をより深く楽しむ講座です。画像を交えながら、担当学芸員が展覧会の内容や作品にまつわる話をします。
①演題:マルケとその友人たち
講師:齊藤陽介(当館学芸員)
日時:2020年2月22日(土) 13:30~15:00(開場13:00~)
②演題:古写経の魅力
講師:菅野龍磨(当館学芸員)
日時:2020年3月7日(土) 13:30~15:00(開場13:00~)
会場:上原美術館【近代館】会議室
定員:各回とも40名。※先着順、要予約、要入館券。
参加方法:
①お名前 ②ご住所 ③お電話番号 ④参加人数(2名様まで)⑤参加希望の講座名を明記の上、郵便はがき、もしくはEメール(info@uehara-museum.or.jp)にてお申込みください。
展覧会の見どころ
【近代館】
知られざる巨匠マルケの新収蔵作品を初公開
1875年、フランスのボルドーに生まれたアルベール・マルケは、セーヌ川をはじめとした風景画などで高い評価を受けてきた画家。
今回は、新収蔵となった《ルーアンのセーヌ川》(1912年)を初公開するほか、油彩画5点、リトグラフ10点などからマルケ芸術の魅力に迫ります。
フランスの画家たちが愛したセーヌ川の風景をまとめてご紹介
フランスを流れるセーヌ川は、19世紀以降、画家たちによって、たびたび描かれてきたモチーフ。
今回の展示では、マルケのほか、モネら印象派の画家たち、シニャック、ボナールらが描いた個性あふれるセーヌ川の表現を楽しめる。
【仏教館】
初公開静岡県ゆかりの写経 《遺教経》
新たに収蔵された、静岡県ゆかりの写経である《遺教経》を初公開する。
この写経は、室町時代・永享4年(1432)に「慶陽」という人物によって書写され、現在の静岡市にあたる、有度郡の八幡神社に納められたことがわかる写経です。
この機会に是非。
主な出品予定作品
【近代館】
1. アルベール・マルケ《ルーアンのセーヌ川》 1912年 ※新収蔵、当館初公開
2. アルベール・マルケ《冬のパリ、ポン・ヌフ》 1947年頃
3. クロード・モネ《ジヴェルニー付近のセーヌ川》 1894年
4.ポール・シニャック《アニエール、洗濯船》 1882年
5.ピエール・ボナール《ノルマンディー風景》 1925年
他、全30点出品予定
【仏教館】
6. 《紫紙金字華厳経断簡》奈良時代(8世紀)
7. 《紺紙金字金剛三昧経巻上(神護寺経)》平安時代(12世紀)
8.《遺教経》 室町時代(永享4年・1432年) ※新収蔵、当館初公開
他、全16点出品予定
展覧会概要
展覧会名:企画展「上原コレクション名品選2」
会 期:2020年1月18日(土)~4月12日(日) 86日間
開館時間:9:00–17:00(最終入館は16:30まで)
会 場:上原美術館 仏教館・近代館
〒413-0715 静岡県下田市宇土金341
料 金:一般1,000円/学生500円/高校生以下無料
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
編集・構成 MOC(モック)編集部
人生100年時代を楽しむ、
大人の生き方マガジンMOC(モック)
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