バブル世代に最も支持されているディスコDJのOSSHY(オッシー)さん。
今、大人の夜の楽しみ方として、ディスコが注目!
アラフィフ女性たちが、OSSHYさんのディスコ・イベントにハマる理由とは?
第2回目の今回は、DJ OSSHYさんに、『ディスコにある若返りのチカラ』そして、『ディスコで芽生える恋』についてお話を伺いました。
「アラフィフ女性がディスコに行くと、どんどん綺麗になる」という噂を聞いたのですが、本当ですか?
専業主婦で長いこと家から出ていなかった女性が、久しぶりにディスコに来て、「同じ年代の女性たちがキラキラ輝いている姿」を見た時、「私もキラキラしたい」という思いが、エネルギーをどんどん生み出して、どんどん磨かれていくんじゃないかと思います。
ディスコは社会の縮図なんです。
いろいろな人たちが集まって来て、その中でお客様同士が切磋琢磨されてくるんです。
オシャレしている人たちが一堂に会して、
「自分は田舎から来て服がダサい。隣の人はイケてる。私もああなりたい」。
そういう向上心が芽生えて来るようです。
私もお立ち台に上がれるようになりたいとか。
20代の頃は持っていた気持ちが、50代になった今また甦ってきているんじゃないかと。
刺激を受けるんですね。
ディスコに来る回数が増えれば増えるほど、磨かれていくんですね。
『見られる』ことでどんどん磨かれて行く効果もディスコにはあると思うんです。
明らかに、ディスコに通われている50代の女性は、家から出ない50代の女性よりも、自分の人生を楽しまれているように感じます。
一目見た時の若さが違うと思います。
健康になってくれることが1番ではあるんですが、綺麗になるのもイイことですよね。
素敵ですね。
OSSHYさんの話を聞いて、「ディスコに行きたい」と思われた方もいると思うのですが、どんなファッションでディスコに行けばいいのでしょうか?
ファッションスタイルは、皆さん様々です。
カジュアルなデニムにカットソーを着て来る人もいれば、気取らないジャケットをはおった男性、ボディコンシャスな服を着ている女性もいます。
──当時ディスコで遊んでいた人たちが、同じようなファッションで遊びに来ることはありますか?
ありますね。
サーファー・ディスコ・イベントを開催すると、当時のままのマリンルックでいらっしゃる人も多いです。
サタデー・ナイト・フィーバーが公開された1978年から1982年までは、サーファーディスコがすごく盛り上がった。
アメリカの西海岸からサーフィンがもたらされた時代でしたので、昼はサーフィンに行って、夜はディスコで遊ぶというカルチャーがあったのです。
その当時の若者のファッションといえばマリンルック。
女性ならばハリウッド女優のファラ・フォーセットのようなレイヤーカットのヘアスタイル、男性はアロハシャツにエンゼルフライトのパンツを履いたり、テニス・ファッションのラコステやタッキーニのシャツを着ていた人もいましたね。
その格好のままディスコに来ていた。
ニュートラやハマトラファッションが流行っていましたね。
はい。
1982年にはマイケルジャクソンのスリラーが大ヒット。
1984年頃からはユーロビートの曲が入って来るようになりました。
イギリスからデュラン・デュラン、カジャ・グーグー、カルチャー・クラブなどのテクノ音楽が入ってきて、街にはテクノカットの髪型をするようなファッションセンスを持った男性で溢れました。
ですから今、テクノファッションでディスコにくる男性もいます。
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の坂本龍一さんのようなスタイルですね。
1985年から1989年頃までは、荻野目洋子さんの「ダンシング・ヒーロー」に代表されるバブル時代には、ワンレン・ボディコンというファッションに移り変わってきました。
その当時の人気のディスコは、マハラジャやジュリアナ。
女性たちは競ってお立ち台で羽で飾られた扇子『ジュリ扇』を振っていました。
若い時代にディスコに通っていた時のファッションを振り返り、再現していらっしゃる方も多いですね。
20代の頃のファッションを再現すると、気持ちも当時の頃のように華やいだ気持ちになったり若返った気持ちになるのでしょうか?
そうだと思います。
青春時代に聞いていた音楽やファッションや想い出などを思い返したりすると、当時の気持ちまで思い出すそう。
脳科学では、そのときに聴いた音や音楽はその場の空気や感情までも包んでおり、それらを含めて記憶として定着させるということが分かっているそうです。
音楽を聴くと、当時の思い出が一瞬にして蘇るのは、こういった人間の脳の特性でもあるらしいですよ。
懐かしい想い出のディスコ・ミュージックを聴きながら、50代や60代の方が体を動かすのは、精神的にも健康的にとてもいいようです。
ディスコ・イベントに来るだけで、気持ちが若返るんですね。
はい。
ディスコは、大勢の人が集まってする運動でもあると思います。
その上大勢の人に見られるエクササイズです。
Tシャツや短パンで行うスポーツジムやジョギングなども健康維持や健康促進に必要なことですが、おしゃれをして行くディスコは、さらに人から見られるので切磋琢磨するという効果もあるのです。
人から見られることをこれほど意識するエクササイズはディスコが一番だと思っています。
一人で黙々とジムでトレーニングしたり、スパで汗を流すのも良いですが、皆んなで一緒にエクササイズするのも楽しいですよ。
辛さがあまりない。
運動があまり好きではなく、健康のためにスポーツジムに通っても3日坊主になってしまうという人がいるのですが、「ディスコならば何時間でも踊り続けられます」、「私の唯一の運動」と言っています。
黙々とストイックに同性同士でエクササイズするのもイイんですが、異性の目を意識するのは刺激があるので、若返りにも効果的なんです。
遊び感覚で運動にもなって、健康にも良くて、恋心も芽生える。
それは、シニア世代になっても変わりません。
介護施設などでも恋愛が行われているというのはよくある話です。人間、歳を取ってもずっと恋愛しますし、そのほうが若々しくいられるんですよ。
そういったフィールドもディスコにはあります。
精神的にも若々しくなれるんですね。
みんなで同じフリを踊ることで一体感が生まれます。
高揚感や達成感なんかも味わえます。
初対面であっても、同じ振りで踊ることで親近感が湧いたりしますよね。
そうですね。
仲良くなりますよね。
他人であるにも関わらず、同じ楽しみを共有する。
サークル的な感覚に近いんじゃないですかね。
サークル感覚でいつも顔を合わせる人が出て来たり、一見さんのお客様でも同じ曲が好きな同士であれば、それが共通言語になる。
アース・ウィンド・アンド・ファイアーの『セプテンバー(September)』1978年、ボーイズ・タウン・ギャングの『君の瞳に恋してる(Can’t take my eyes off you)』1982年などは、皆んな盛り上がってくれます。
自分も好きな曲を、前後左右の人みんなも好きっていうのは、仲間意識が生まれますよね。
それで自然に声を掛け合ったり。
まあスマートなナンパでしょうか。
昔もそうだったんですが、今も同じなんです。
共通の趣味を持つもの同士ですから。
イイですよね。
今の50代60代の人のことを考えると、健全に少しでも楽しみたい思いがあっても、なかなかそういう会話ができる異性の男性は限られているんじゃないですかね。
1対1ではなく、大勢いるからイイんじゃないかな。
みなさん積極的ですか?
かなり!
びっくりするほど。
ご夫婦やカップルでディスコに来る方も多いと聞きましたが。
そうですね。
いろいろな事情のあるカップルの方もいらっしゃると思うんですが(笑)。
それも恋愛を楽しまれているので、イイんじゃないかと。
今のディスコの現場で新しいカップルが生まれてもイイし、それは大人の世界観の中で楽しまれればイイんじゃないかと思っています。
法に則って男女が遊ばれる分にはイイじゃないかと。
20代頃にディスコに通っていた50代の女性の話なのですが、30代で離婚して女手一人で子育てするのに必死で働いて「もう結婚はこりごり。生涯しないだろうな」と思っていたそうなんです。
ところがたまたま誘われて行ったDJ OSSHYさんのディスコ・イベントで、元彼に再会して付き合うことに。
お子さんたちもお相手の方が大好きになってくれて、お子さんの後押しもあって結婚したんです。
今では、母と子どもで新しいお父さんを取り合うほど仲が良い。
結婚後はご夫婦でディスコ・イベントに参加しているんですよ。
趣味も合うので、出会いの場としてはすごくイイと思うのですが。
そういう方、結構いるんですよ。
知らないうちに恋のキューピッドになっているのかもしれないですね(笑)
50代・60代の方が自分でエンジンを掛けたり、女性を口説いたり、なかなか稀な場所なのかもしれないですね。
お酒と大きな音の音楽とダンス、キラキラした照明は、理性に影響を与えるんですよ。気分をハイにさせる空間なんです。
大きな音の振動で体が共振するのって、自分の心臓がドキドキしているんじゃないかと錯覚しますよね。
トキめいているのではないかと思ってしまうのではないかと。
実は高揚している時の心臓の鼓動と同じリズムの音楽が、ディスコ・ミュージックの原点なんですよ。
BPMでいうと120。
心拍数が1分間に120回の状態だと、人は本能的に高揚するようです。
大きな音の中では自然に体が動いてしまう。
少しハイになる特別な非日常の場です。
ですが、お酒が飲める居酒屋とは違います。
お酒を飲んでハイにはなるけど、音楽的にはBGM程度ですから体を揺らしながら踊るというところまでは楽しめないですよね。
ディスコやクラブは特別な空間なんです。
大きな音楽の中にいるというのは、特別なことなんですね。
そうです。
大きな音楽が流れるという点ではライブもディスコも一緒ですが、ライブは基本的に移動できないので、その場で盛り上がるしかありません。
ライブではミュージシャンが主役ですが、ディスコではオーディエンスが主役です。
注目を集めるのは主役であるオーディエンスなのですから、高揚しますよね。
DJは主役ではなく、脇役ですから。完全に引き立て役なんです。
今でこそ、ディスコDJやクラブDJはアーティスト化されてきてDJが主役だと思われがちですが、ディスコ全盛時代にはDJは音響担当係でしたから。
誰がDJをしているかではなく、マハラジャやジュリアナなどの何処の人気ディスコで踊るかが重要だったんですよ。
自分が主役でいられる場だと思うと、さらに高揚感が増しますね。
一般の人が主役になれる場はなかなか無いですから。
「自分を見て!」という思いも芽生えて、お立ち台で踊ってアピールする女性たちもいます。皆んな一人ひとりが主役になれる場所なんです。
自由気ままに踊ったり、飲んだり、循環していろいろな人と交流したり、自分の楽しいと思う空間を作り上げていってイイんです。
盛り上がったモン勝ちですから。
ストレスも発散されそうですね。
皆さんが盛り上がれるように、現場を見ながらDJをしています。
自分の好きな音楽をミュージシャン気取りで発信するDJではいけないと思っているんです。
お客様が喜んで頂けることを一番に考えています。
今日はこの曲でいこうと準備をしても、全然ウケない場合もあるんです。
そういう時には曲をどんどんチェンジして、お客様を盛り上げていくのは日常茶飯事です。
こういうところが私のDJとしての醍醐味。
アレンジやアドリブを駆使してプレイしていきますので、準備した流れのままで終わることは1日たりとも無いですね。
そこはミュージシャンとは違うと思います。
男女の境がない趣味という点でもイイですよね。
自分にとっておしゃれをして自信をもてる場所で、誰かと出会うのは最高なんじゃないかと思うんです
非日常の空間ですから。
人よりも格好良くいたいとか、綺麗でいたいというような欲求は、誰もが持っているじゃないですか。
そういう中で切磋琢磨するのは、イイなと思いますね。
でも基本は、一体感や仲良くなれることがディスコの醍醐味ですけど。
アラフィフ世代は、人から見られる機会がだんだん減ってきてしまう方が多いのではないでしょうか。
積極的に外出しないと、どんどん自分に興味がなくなってしまうのかもしれません。
外出先に悩んだ時に選択肢の一つとして『ディスコ』という場所もあるのだと、思い出して頂ければ嬉しいです。
「ディスコに取材に行くと、美しいアラフィフ女性に会えるのはなぜだろう」と思っていましたが、OSSHYさんの「お客様同士が切磋琢磨していく」が解説して下さった通りだと思います。
女性同士で声を掛け合ってお友達になる人もいます。
それこそ、女同士おしゃれを競い合い切磋琢磨するイイ友達になったりする場でもありますよね。
夜に出かけられる女友達が少ない人でも、ディスコ・イベントに出かけてみると、一緒に出かけられる友人が増えたりすることもあります。
男性も「隣の男には負けない」「女性に注目されたい」という向上心が芽生えること、間違いなしです。
写真:古谷利幸 文:北川りさ
大人の男女を輝かせる!スーパー スカイツリー ディスコ2018に潜入!! 今回は、DJ OSSHY(オッシー)に密着。シリーズ【第3回】
編集・構成 MOC(モック)編集部
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