黒川温泉では、 2020年12月19日から2021年5月30日の期間、 日暮れから22時まで孟宗竹の間伐材で作成した鞠型灯篭を飾る「湯あかり」を開催。
本年度は新型コロナウィルス感染症対策の観点から、 例年よりも灯篭の設置場所を増やした。
できるだけ一箇所での密集を避け、 温泉街を周遊を楽しめるような工夫もされている。
黒川温泉は、 褐毛和種、 原木椎茸などの地域食材や、 ブランド杉である“小国杉”など、 地域にある豊かな自然資源を旅館事業や温泉地域づくりに活かした取り組みを行っている。
地域資源を活用した取り組みの1つとして、 2012年の冬から始まったこの催しは、 竹の球体”鞠灯篭”約500個と、 高さ2mの”竹筒灯篭”を温泉街の自然景観に溶け込むように取付け、 日暮れから22時まで点灯するライトアップになる。
本年度は新型コロナウイルス感染症予防のために催しを中止するという意見もありましたが、 話し合いの末きちんと適切な対策を講じて開催することを決断いたしました。
例年は温泉街の川端通りに沿って約300mにライトアップしていましたが、 今年は新たに“黒川温泉明神様”と“平野台展望所”にも明かりを増設して、 お客様が自由に回遊していただける設計にいたしました。 また、 それに伴い「湯あかり周遊マップ」の準備や新型コロナ感染症対策看板の設置など万全の体制を整えています。
冬の静寂のなか、 旅館の露天風呂で体をしっかりと温めた後は浴衣に羽織をまとい温泉街へ。
街を歩くと丸く柔らかな鞠灯篭の明かり温泉街一面に拡がっている。
しんしんと冷える寒い冬、 阿蘇の奥地で里山ならではのゆったりと流れる時間をお過ごすことができる。
黒川温泉の想い
日本各地で問題となっている竹害。 黒川温泉も例外ではなく放置竹林が多く存在。
成長の速い竹は持続的な維持管理を行わないと他の木々を枯らし、 里山の環境を脅かす。
黒川温泉では環境維持のため竹林の間伐、 再生に取り組んでいるが、 「湯あかり」はこうした活動の一環として計画された。
ここで飾る竹灯篭は全て地域の方々が手作りで制作している。
竹灯篭の使用後は平野台の炭窯で竹炭を作り、 また粉砕したものは、 肥料や床のクッション材として利用できる。
黒川温泉ではこのようにして竹資源を循環させこの美しい環境を保全している。
【開催期間】
催し 黒川温泉 湯あかり
日程 2020年12月19日(土)~2021年5月30日(日)
時間 日暮れ(17時半頃)から22時まで
場所
・黒川温泉 丸鈴橋~川端通り
・温泉公園
・やまびこ旅館前
・旅館組合前
・黒川温泉地蔵堂
・黒川温泉バス停
・黒川温泉明神様【新スポット】
・平野台展望所【新スポット】
「湯あかり周遊マップ」の準備や新型コロナ感染症対策看板の設置など万全の体制を整えてる。
黒川温泉について
雄大なパノラマが広がる阿蘇地域は、 世界ジオパークや世界農業遺産に認定されており、 豊かな自然環境のみならず、 歴史に育まれた伝統や文化が今も息づく地域。
そんな阿蘇地方の奥深い山間地に黒川温泉は位置します。
この地では自然環境と調和した景観づくりと露天風呂を巡る”入湯手形”で、 ここにしかない世界観を作り上げてきた。
現在は年間約100万人が訪れており、 温泉めぐりや自然景観を楽しまれています(うち宿泊者は年間30万人)。
1986年から推進してきた温泉地の景観づくりが評価され、 2009年版のミシュランガイド・ジャポンでは2つ星の評価を獲得、 そのほかグッドデザイン賞特別賞、 第1回アジア都市景観賞など数多くの賞を受賞している。
構成 MOC(モック)編集部
人生100年時代を楽しむ、
大人の生き方マガジンMOC(モック)
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