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バイアグラだけじゃない! 最先端のED(勃起不全、勃起障害)治療法は「衝撃波」。 血管が蘇り勃起を促す衝撃治療のチカラとは??

 

「男性力」の低下は男性にとって死活問題。しかしED(勃起障害)のせいで男としての自信が揺らいではいませんか?

薬に頼ろうか医者に頼ろうか迷うものの、一体どこに向かうのが正解かわからない……なんて悩んでいる人は、まずは情報収集!

従来のED治療法として有名なバイアグラのほか、近年は「衝撃波治療」への注目が高まっています。

MOCは泌尿器科のスペシャリスト Dクリニック東京 メンズの辻村晃医師に今試したい「ED衝撃波治療」についてお話を伺ってきました。

EDを乗り越えて活力、若々しさ、幸福感、セックスの楽しみを取り戻す方法とは一体?

 

アラフィフ世代で集まって話をすると「最近元気がなくなった。もうだめだ!」と嘆きだす男が結構いるんです。

EDと年齢にはどんな関係があるのでしょう。

 

男性力の衰えですよね。

ここには、「体」と「環境」の2つの要因が考えられます。

体の要因は老化です。

ペニスそのものの海綿体の弾力性が衰えてきます。

さらに勃起に必要なホルモンも20歳を境にどんどん落ちてきます。

当然ながら体の変化から勃起力が低下するという側面があるんです。

もうひとつは社会環境。

50歳前後というと、仕事が忙しくなったり、あるいは先が見えてきたりと難しい立場になります。

下の世代からの突き上げもそうですね。

仕事のことで頭がいっぱいになり、性的なことに時間がとれない。

または興味がなくなってしまう。

すると勃起力が低下しやすくなります。

 

 

メンタルがナイーブな方はEDになりやすいのでしょうか?

 

過去に性行為でうまくいかなかったトラウマなど、不安があると勃起しにくくなる人はいますね。

自分にどんどんプレッシャーをかけてしまったり。

結婚されている場合でみられるのは、奥様が子どもを作りたいという意欲が強い方でプレッシャーを感じることも。

 

体と人生、いろいろな角度からEDリスクが!

治療法として有名なのは薬の服用ですよね。

バイアグラ、レビトラ、シアリスが代表的なED治療薬ですが、これほど薬が治療法として支持されてきたのはなぜでしょう?

 

一番簡単だからです。

新しい機械や新しい注射という治療法があったとして、薬を飲むという治療法の方が圧倒的に楽。

患者さんからしても受け入れやすくなります。なによりこれら薬の効果の有効性が高いんですよ。

その3種類の薬はどれも日本の臨床試験で90%近い有効性が認められています。

薬を飲むだけで9割勃起が回復するならば、それが第一選択になるというのが今までのED治療でした。

 

 

服薬治療は効果が高いんですね。

ですが何らかの事情で服薬治療ができない人もいます。

 

そうですね。薬を飲みたいけれど飲めない人はいます。

服薬の禁忌に当たる人ですね。

狭心症や心筋梗塞で硝酸薬を飲んでいる場合は大原則としてED治療薬の服用ができません。

特殊な抗ウイルス剤、たとえばHIVやある種の水虫の治療薬、不整脈の治療薬を使用している場合も注意が必要です。

病気によっては薬を飲んでも効果が十分にあらわれない人もあります。

重症の糖尿病の人がED治療を試みる場合、薬だけでは改善が期待できません。

なんらかの手術を受けた結果、勃起のために必要な神経に障害が発生している人も薬だけでの治療は難しいでしょう。

前立腺がんの手術をしたときに勃起に関係する神経を切除された方などが該当します。

 

ED治療薬の副作用はどうでしょう?

 

副作用で一番多いのは顔のほてりですね。

顔が赤らむなどの症状がみられます。

そのほか頭痛、動悸、鼻づまりなどの副作用があらわれる方もいます。

シアリスは筋肉痛に似た症状があらわれることがありますが、原因は不明です。

薬を飲んだ場合、副作用はゼロではないので弊害を発症する可能性はありますね。

副作用は主に、薬の血管拡張作用からくるものがほとんどです。

 

 

薬は効果と副作用の両方を持ちますから、ED治療もそこへの理解は必要ですね。

薬の治療だと飲み続けた場合に体が薬に慣れ過ぎて効き目が弱くなることは?

 

薬効成分的にそれはないですよ。

慣れという現象は薬に起こらないんです。

服用を始めてから年月が経っていると別ですが……。

たとえば5年間薬を飲み続けてきたとしましょう。

「5年前の効果と今では、だいぶ違うようになってきました」と患者さんが感じるのは、それは5つ年齢を重ねているからです。

体にも変化が起こっていますから。

薬の作用がないというわけではないんです。

ただし、慣れを訴える患者さんはたくさんいます。

なぜかというと、治療開始をして最初のうちは「この薬を飲んだらどんな変化が起きるだろう!」という期待感があるんです。

それが薬を飲み続けているうちに期待感に慣れが生じてしまい、わくわく感が薄れ、効果に結び付かないということは考えられます。

 

わぁ……(笑)。

ちょっと自分でも心当たりが。

薬を飲むときのわくわく感、すごくわかります。

ところでED薬は血管を拡張させる作用を持ちEDの原因のひとつとされる血行不良にアプローチしますが、根本的な解決ではないのでしょうか?

 

効果が期待できるのは薬を飲んでいる間だけですから、頓服薬的な治療と考えましょう。

というのも、患者さんのなかには薬に頼るのではなく勃起力そのものを改善したいという人がいらっしゃいます。

そういう方にとってみれば、薬は単に性行為の時間だけをなんとかやり過ごすものになってしまうんです。

 

 

セックスさえ乗り切ればOK!というのもわかりますが、やっぱり薬に頼らず元気になりたいというのも本音。

根本的な治療への光明となりそうなのが今回の「衝撃波治療レノーヴァ」ですね。

 

医者も研究者もED治療方法でもっといいものがないか、いい方法がないかずっと考えていました。

バイアグラやレビトラ、シアリスなどの薬を飲むという方法のほかに選択されていたのは、プロスタグランジン薬をペニスの海綿体に直接注射する方法、陰圧式勃起補助具で勃起させる方法、プロステーシスという芯棒を手術でペニスに埋め込む外科的治療法など。

しかし患者さんからするとなかなか大変な治療法ばかりです。

もっと楽になおかつ勃起力そのものを向上させる治療方法を考えていました。

 

聞いているだけで痛い、怖い……!

EDに悩んでいても治療に踏み切れない人って、たくさんいるんでしょうね。

 

そこへあるとき、Dr.バルディという人が『衝撃波をペニスに当てると勃起力が改善するのではないか』と発見しました。

彼の論文が世に出たのが2010年なので、まだEDの衝撃波治療の歴史は浅いといえます。

衝撃波そのものは我々泌尿器科医では結石治療で扱っていました。

昭和63年に保険適応が通ってから結石治療で使っています。

腎臓や尿管に結石が発生したら、そこに衝撃波を当てて体内で石を砕いて出すという治療法です。

そして2010年、衝撃波をペニスに当てるとEDが改善するとDr.バルディが発表しました。

でもほとんどの人が信じていませんでした。

僕もそうだったのですが、彼が発表するデータを見れば見るほど効果があるというのがわかり、治療法として広まってきたんです。

 

 

 

あの、辻村先生!

衝撃波治療も痛そうな気がしてきましたが、ペニスに当てたときの痛みは……?

 

ED治療では、結石をつぶすほど強い衝撃波を当てませんよ。

そのくらいの強さだとペニスが破壊されてしまいますから。

患者さんに対して「結石を潰す衝撃波を使いますよ」と説明すると、「え!痛くないですか?」とよく聞かれます。

ですがイメージと反して全然痛くないですよ。

無麻酔で行います。

弱い衝撃波を当てることで、ペニスの血流が改善されます。

細かい新生血管が増えてきて勃起力が回復するという仕組みです。

動物実験など基礎研究もされています。

衝撃波が当たると血管内皮細胞から、一酸化炭素を合成放出させる酵素が活性化され、結果として血管内皮機能を改善させる一酸化窒素が増加します。

また、新生血管を増やすような成長因子VEGF(血管内皮細胞増殖因子)などがたくさんの因子が出るようになります。

細かい血管が増え、血液量も増えて勃起力が回復します。

血管に圧力をかけることで、いろいろな因子を増やすというメカニズムです。

 

【図解】衝撃波が勃起障害を大きく改善するという臨床的結果を得て、世界初のED治療専用装置”RENOVA”(レノーヴァ)をイスラエルのダイレックス社が開発。

 

ということは痛みに怯えなくて大丈夫ということですね。

効果があって体への負担も少ないというと、ED治療としてこれからもっと主流になりそうに思えます。

 

主流になりかけていますね。

アメリカではまだまだですが、ヨーロッパのガイドラインでは、未だ、エビデンスは明確ではないものの、最初に試されてもいい治療法と位置付けられています。

機械によって結果も違いますので一律に推薦するわけではありませんが、第一段階の治療法として考慮されるべき方法と位置づけられるようになりました。

どんどん広まっている治療法であることは間違いないです。

しかし効果が出やすい人、出にくい人など結果には差異がありますので「絶対治ります」とは言えません。

患者さんの体の状態や希望する治療法に応じて、試してみる価値はあると思いますよ。

 

衝撃波治療の最先端と言える「レノーヴァ」の特徴を詳しく教えてもらえますか?

 

従来の機械では、衝撃波は点で当てていたんです。

つまり当たる面積が狭かった。

一回で当てられる面積が狭いので、治療回数が多くなっていました。

9週間のうち12回の治療が原則必要で、300発を5か所に当てるのが一回の施術。

一回につき1500発を、9週間で12回という計算です。

患者さんからすると、9週間で12回病院に通うのは大変でしょう。

それだけこまめにスケジュールを確保するのは難しい。

ですがレノーヴァは点ではなく、面で当てていきます。

4週間で4回の通院でいいんです。

週に1回ならなんとかやりくりできるので通いやすい。

そんなわけできちんと続けられる治療法としても広まってきました。

 

【図解】特殊な衝撃波を与えることで、陰茎幹及び海綿体の全範囲で血管が揺すられ、新しい血管を形成する細胞増殖因子が放出され、新血管の生成が行われる。

 

通院ってつい面倒くさくなっちゃうんですよね。

 

レノーヴァは900発を4か所に当てるのが一回の施術。

陰茎の根元から両サイドへ、先端部分は両サイドから、合計4か所を面で当てていきます。

衝撃波を当てる範囲が広くなり、それでいて治療時間は短くなる。

効率がとてもよくなりました。

通院も4週間で4回ですから、患者さんの負担が軽くなっています。

 

レノーヴァの大きな特徴で副作用がないというのは?

 

副作用はほとんどありません。

患者さんが施術前によく心配されるのは、傷跡、内出血、皮下出血、腫れなどですが今までそういった副作用があらわれた患者さんを見たことがありませんし、報告もほぼないですね。

ただし注意してほしいのは、抗凝固剤を服用中の方です。

血液をサラサラにする薬をたっぷり飲んでいる人は、多少なりとも注意が必要です。

ですが一般の外来にいらっしゃる方で抗凝固剤をたくさん飲まれている方はあまりいないので、ほとんどの患者さんはそんなに不安を感じなくて大丈夫ですよ。

 

 

実際に使われた患者さんの声はいかがですか?

 

全体的に効果があるかどうかでいうと、6~8割の患者さんが効果があったとおっしゃっています。

ここのクリニックでもほぼ同じような結果です。

特に、バイアグラやレビトラ、シアリスを飲んでいた時の効果がよくなったという方がいらっしゃいますね。

「昔は薬の効果を感じられたけど最近は効果が落ちてきた」という人が衝撃波治療をしてから薬を飲むと、薬の反応性が戻ります。

この結果は体外衝撃波治療のひとつの特徴であると、海外の論文でも発表されています。

 

 

併用治療の効果アップの期待ができるんですね。

 

そのほか、治療薬を飲まなくても性行為をできるようになったという人たちもいらっしゃいます。

患者さんすべてがその結果を得られたわけではありません。

そういう効果があらわれやすいのは比較的若い患者さんで、勃起力低下が中等度の症状の方です。

あまりに勃起力が低下した方はそこまで高い効果は望めません。

組織の再生の影響があるのかもしれません。

 

若い年代というと?

 

ED治療には20代30代の人もたくさん来院されます。

インターネットなどで治療のことを知って希望する人もいるようです。

バイアグラなどほかの治療方法を試しているけれど満足する効果が得られていないからレノーヴァを検討する、などですね。

高齢の患者さんだと70代以上の方もいらっしゃいます。

70歳以上ですとレノーヴァで施術して薬を飲まなくても十分に勃起するようになったという人は少ないですが、バイアグラなどの反応性が戻ったりした方はいます。

 

 

明らかに勃たなくなる前にケアをすることが大切ですね。

レノーヴァは新しい治療法でメリットもありますが、やはり体のトータルケアは早めに!

 

そう思います。

勃起障害が末期にきていると回復は難しい。

そうすると50歳前後の方ならいいと思います。

70歳前後に治療開始となると結果は厳しくなると思いますよ。

EDの原因は人それぞれですが、若い方は精神面や人間関係、女性との関係性が原因として発症することが多い印象があります。

年配になればなるほど体そのものに何らかの原因が発症している可能性が高いでしょう。

たとえばコレステロールの数値が高い、動脈硬化、糖尿病、高血圧。

これらの要因があると勃起力は低下します。

中高年になれば体からですよ。

みなさん、早めにケアをしましょう。

 

ED最先端治療「レノーヴァ」。

痛みが少なく副作用のリスクも低いので患者さんの負担が軽くなります。

さらに通院回数も従来の治療法と比較して少ないため、忙しい現役アラフィフにぴったりの治療法。

人生100年時代をポジティブに謳歌するためにもEDのお悩みにサヨナラしてみませんか?

 

 

取材協力:Dクリニック東京 メンズ

 

写真:大久保嘉之 文:MOC編集部

 

 

レノーヴァに関する詳しい情報はこちら

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
人生100年時代を生きる、
大人のためのマガジンMOC(モック)
Moment Of Choice-MOC.STYLE

 

PROFILE

辻村 晃

順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科 教授

兵庫医科大学卒業
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター泌尿器科医師
大阪大学医学部泌尿器科学 助手
米国ニューヨーク大学細胞生物学臨床研究員
大阪大学医学部泌尿器科学講師
大阪大学医学部泌尿器科学准教授
順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科 先任准教授


日本泌尿器科学会、日本排尿機能学会、日本内分泌学会、日本生殖医学会、日本受精着床学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本アンドロロジー学会、日本性機能学会、日本泌尿器内視鏡学会、日本内分泌外科学会、日本思春期学会、日本Men’s Health医学会、日本抗加齢医学会、日本生殖内分泌学会、日本ステロイドホルモン学会、日本老年泌尿器科学会、日本女性骨盤底医学会、日本臨床腎移植学会、日本移植学会、日本性差医学会、日本ロボット外科学会、米国泌尿器科学会(AUA)、米国アンドロロジー学会(ASA)、国際泌尿器科学会(SIU)、国際性機能学会(ISSM)、国際Aging Male学会(ISSAM)、国際尿禁制学会(ICS)、アジア太平洋性機能学会(APSSM)、アジア太平洋Aging Male学会(APSSAM)など

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